あれ? 北見先輩は、お兄さんではなく、その隣に立つ人を見ている。 そして、その上品な老婦人に会釈した。 お知り合い? 「偶然一緒になったんだ。 これからうちに来るところだったらしい」 お兄さんの説明に、北見先輩が軽くうなずく。 誰だろう? と、その老婦人が私を一瞥して口を開いた。 「そちらは?」 えっ、私? どぎまぎしていると、お兄さんが間に入ってくれた。