その時、北見先輩がこっちを見た。 慌てて、コップの中に視線を落とす。 「聡美は今日、何時までに帰ればいいんだ?」 うわ、さっそく名前で呼ばれた! なんだか、背中がムズムズする。 でも私は精一杯平静を装った。 「えっと、夕飯までに帰れば……」 「6時とか、7時くらい?」 「そうですね」 「じゃあ、それまで付き合え」 「はぁ、いいですけど、どこに?」 「ついてくればわかる」