自分の思考にどぎまぎしていると、先輩はちらっと私を見て眉をしかめた。


「俺は別にいいことも悪いこともないが、
おまえは相変わらずクルクルと表情変えて忙しいやつだな。
どうした?」

「えっ、いや、べつに……」


先輩の手が離れて残念に思った、
なんて口が裂けても言えるわけない!

私が笑ってごまかしていると、先輩は「ああ!」と思い出したように聞いてきた。


「昨日の男友達のことか?
ちゃんと断ったのか?」

「えっ、ああ……
いや、それが……」


私は昨日のオクとの電話を思い出し、急にブルーな気分になった。