前のホワイトボードには難しい数式が書かれている。
それを指差しながら説明している先生の声を、
ひとことも聞きもらすまいとするかのように熱心に耳を傾けている北見先輩。
うわ……、なんか、見たことない表情かも。
ふだん私に意地悪を言う顔とはもちろん違うし、
校内で見かけたことのあるクールな表情とも違う。
もっと真面目で真剣で、
なんていうか……
すごく、かっこいい。
見ているだけでなんだかドキドキしてきた私は、慌てて顔を引っ込めた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…