「男がデートムービーに女を誘うってことの意味くらい、おまえにもわかんだろ?」
「……どういうことですか?」
いやな予感を覚えつつも、私は聞いた。
「アプローチしてんに決まってるだろ?
そういうのは、『ただの友達』とは言わねえよ。
よかったじゃないか。
おまえみたいなやつでも、誘ってくれる奇特な男がいて」
私をからかうようにそう答えた北見先輩が、恨めしかった。
「でもっ……!」
オクに誘われたとき、私はそんなこと考えもしなかった。
「オクはクラスメートで、よく遊びに行く仲間の一人で。
映画だって、いつもの遊びの延長だって言ってたし……」