◆北見孝太郎side 夕食後、俺は兄貴とリビングでサッカー中継を見ていた。 ――ピンポーン―― インターホンが鳴り、モニターを見たおふくろが驚きの声を上げた。 「あらっ、お義母様!?」 慌てて玄関へ向かうおふくろを見て、いぶかしく思った。 こんな遅い時間にあの人が来ることはまずない。 いったい何事だ? 兄貴も同じように感じたらしく、目を合わせて首をかしげた。