北見先輩がそっぽを向いてしまったので、私とお兄さんが顔を見合わせるはめになった。



……えっと。

黙ってるのも、気まずい。

適当に世間話して場をつながないと。


「あの、お兄さんは大学生、ですか?」

「うん。
君は、孝太郎の後輩ってことは、1年生?」

「はい」

「1年から塾通いなんて、勉強熱心だね。
もしかして、君も東大志望?」

「ええっ、と、東大!?
とんでもないです、東大なんて!」


私がブンブン首を振ると、横から北見先輩が口を出してきた。

「こいつはバカだから」

「ちょっ、そんなっ!」