ふーんだ。
北見先輩の意地悪にだいぶ耐性ができてきた私にしたら、そんなひと睨みくらいなんともないもんねー。
表情を変えずにいると、先輩は持っていた雑誌を私の目の前に差し出してきた。
「昨日の試合に出てた選手だ」
ちらっと目をやって、私は思わずそのページをつかんだ。
「えっ、この選手ですかっ?」
そこには、私の知らない外国人選手の写真があった。
超イケメンの――
「ちょっ、先輩、この選手の名前は?
どこの国の人?
チームは?」
立て続けに質問を投げると、先輩はスッと雑誌を自分の方に戻し、
乗り出した私のおでこをピンと中指で弾いた。