ところが、それを聞いたオクは電話の向こうで笑い声をあげた。


『ハハハッ、なんだよ、ふつうってー』


……あー、私やっちゃった?

そりゃそうか。

夕飯聞かれて、ふつうって返事はないよね。


私はケータイを持ち直しながら苦笑いした。


「あー、ごめん。
いや、さっきさー、父親とちょっとあって、夕飯食べたんだけど、なんかあんまりちゃんと見もしないで口に運んでた感じで……」


私がそう言うと、オクは「ああー」と納得したような声を漏らした。