私は母と相談し、5月の中間考査後、高校近くにある評判のいい進学塾に通うことにした。


中間の成績が赤点ギリギリだった英数を、週2回。


その時点で、夢見ていた薔薇色の高校生活は泡のように消えた。


でも、せっかく入れた憧れの秀成学園で落ちこぼれるわけにはいかないもの。


赤点だらけで単位が取れなくて落第、なんて冗談じゃない。


それみたことかって、おとうさんに笑われるのが目に見えてる。


そんなの絶対にいや!


だから、私は少人数制の塾で、まじめに講義を受け始めた。




事件が起きたのは、そんなある日のことだった。