店内で時間が過ぎる中、私は食事を終えた


「食べ終わった?」
幸宏さんが聞く

「とてもおいしかったです、ありがとうございました」

「とんでもない、こちらこそこんな所へ来てくれて嬉しいよ」

「私、こういう場所が大好きで本当に良かったです」


「ありがとう、ちょっと一息にコーヒーでもどうぞ」

幸宏さんはコーヒーを出す
あれ?私コーヒーなんて注文してないのに…

「あの……私、コーヒーは注文してないですけど…」


幸宏さんは笑顔で
「レストラン"夜空"はね、ゆっくりしてもらうように食事の後にコーヒーを出しているんだよ、つまりサービスって事」


「そういう事なら」
私はコーヒーを受け取る


コーヒーを飲みながら、さっきから疑問に思ってた事を聞いた
「あの……レストランの名前が"夜空"なのはどうしてですか?何か意味があるんですか?」


マスターさんが
「その答えは夜に来るとわかるって言いたいけど…<ゆき>この子には見せてもいいよな?」

「そうですね、いいと思いますよ」

「やっぱりな、表の看板閉めておいてくれ、お姉ちゃんには特別だよ」


幸宏さんは表の看板を<営業中>から<準備中>に変えて店を閉めた


店内には私と幸宏さんとマスターさんだけ


幸宏さんがにっこり笑って
「きっと、君は気に入ると思うよ」