幸宏さんは少しブランコを揺らして言った


「それにしても…空さんが志保ちゃんだったなんて…由香が言った通りだな…」


「えっ?由香?」


「由香にさ、今日空…志保ちゃんに会うって言ったら
本当の姿の空さんを見て腰抜かさないでって言われて
あいつ…空さんの正体知ってるみたいで…」


「……私もです…じゃなくて…私も由香に言われたの…本当の姿のヒヨコさんに会っても腰抜かさないでって…
私…ずっと由香にヒヨコさんと幸宏さんの話しをしてて…」


「俺も、由香に空さんと志保ちゃんの事相談してた……」



それじゃあ、もしかして

もしかしなくても…

由香、みんな知ってたの…
知ってて黙ってた……



「もしかして由香にやられたよな……」

「由香はみんな知ってたんだ…でもそれを黙ってたのって…」

私達の真剣な悩みを聞いて
2人とも同じ人が好きって知ってて
2人の反応を楽しんでいた…?







「「あいつ~」」



私達は一緒に立ち上がる


「俺達の反応を見て楽しんでたな~」


「真剣に悩んでたのに~」


「志保ちゃん許せる?」


「許せないです!!」


「由香に抗議しよう!!」
「はい!!」




私と幸宏さんは一緒にマスターさんの家へ向かって行った