幸宏さん…また泣いてたのかな?



「志保も目を覚ましたし、私何か買ってくるね……マスターさん一緒に来て」


「ちょっと!?由香?」


由香はマスターさんの手を強引に引っ張って部屋から出て行った




部屋には私と幸宏さんだけ




「「…………」」


しばらく沈黙が続いた後、私がやっと口を開く


「あの…由香から聞いたんですけど、幸宏さんが部屋まで運んでくれたんですよね……ありがとうございます」


「!?由香の奴……あれほど言うなって言ったのに~」


「由香を責めないで下さいね……私が勝手に聞いたんで……それより…網をよじ登った私を助けてくれたのに……叩いてしまって……」


「えっ!?こんなの気にしなくていいよ~…志保ちゃんのせいじゃないし……もう大丈夫なんだよね?」


「今は大丈夫です……でも、この発作早く治さないと……そうだ幸宏さん…」


「何、志保ちゃん?」



私はそっと幸宏さんの手に触れる


ドックン!!!!!!

発作が起こり、身震いと過呼吸がした


「志保ちゃん!?」


幸宏さんが慌てて袋を渡す


「無理しちゃダメだよ…」


「ハァハァ……私…早く発作……を治したいん…で……す」


「志保ちゃん…焦ったらダメだよ……」


「早く…治さないと……幸宏さんにも…マスターさんにも……触れないから……好きに……なった人にも触れな…いから」


「志保ちゃん……慌てないで、ゆっくり治せばいいから……」


「でも……」


「ゆっくりでいい……そしたら……お、……好きな人を……触ればいいから……」


「ありが……とうご…ざいます」







その後、由香とマスターさんが戻ってきて、面会時間終了までいてくれた