2人何も言わず沈黙が流れる



「………………」


「………………」



「「あのっ!?」」


2人同時に声が出る


「どうしたの志保ちゃん……」


「ゆ、幸宏さんの好きな人って誰ですか?」


「ひ、秘密だよ~////」


「そうですよね…」






また再び沈黙が流れると






「もぅ、志保~何回ドアを叩いたと思ってるのよ~返事くらいしなさいよ…」


由香が病室に入って来た



「兄さん、交代の時間…」


「えっ!?もうそんな時間?…志保ちゃんまた明日ね……」






幸宏さんは慌てて部屋を出て行く



「まったく~…兄さんったら~」

「由香~」


「どうしたの志保?」


「私、昼間だけでも死んじゃいそ~…」


「憧れの兄さんといる時間が?」

「幸宏さん、好きな人いるって言ってたの……私、片思いで終わっちゃった……」


「でも志保、兄さんが誰が好きかは聞いてないんでしょ?まだ希望はあるじゃん」


「そうだけど~……」



ゾクッッ!!!!!


何?この感覚……これってドラッグが切れた時にいつも襲う奴だ……



「っ由香!!イヤッッ!!!!!苦しいよ~怖いよ~……誰かが私を…」


「志保?もしかして薬物依存症の症状が出たの?」


由香は慌てて、ナースコールを押した


「志保!?今先生来るからね」


「イヤッッ!!!!!由香…誰かが…誰かが私を…襲いに……」


私は気が狂ったように叫んだ…由香がそっと私を抱きしめた







トックン!?


心臓の音が少し鳴り止んだ





「そうだよね、辛いよね志保……志保は1人じゃないよ……大丈夫だから……夜、私が来た時は志保を必ず抱きしめるから……兄さんにも、マスターさんにも出来ない事を私はするから……」



「ゆ……か…?あり…がとう……」


「志保にね、私も隠してた事があるの……志保が元気になったら話しするね…」



「う……ん……由香?だい…好き……だよ」


「私も志保の事、親友として大好き……」


由香がさらにぎゅっと抱きしめた
先生が来て、念のため鎮静剤を打ち、私は眠りについた