幸宏さんは心配そうな顔をして
「気が付いたみたいで良かった~…」


「幸宏さん…久しぶりです……」

「君、ずいぶん前に"夜空"に来店してきてくれた子だよね?」

「はい……」


「やっぱり……あの時と姿がずいぶん変わってたから違うと思ってたよ…
あんな雨の中ずぶ濡れで店の前に倒れていたからビックリしたよ……」


すると由香が話し出した

「兄さん、この子が前に話した親友の志保だよ」


由香のその言葉に驚く私
「えっっ!?由香のお兄さんって幸宏さんなの?」


「あれ?言ってなかったっけ?」

「言ってないよ~…由香のお兄さんが幸宏さんなんて、今初めて聞いたよ…」


「そうだったっけ?」

わざとらしい笑みを浮かべる由香





「それじゃあ、倒れていた私を見つけてくれたのが幸宏さんなんですか?」


「そうだよ、志保ちゃんでいいかな?
由香から君の話しは聞いてるよ君にこんな形で会うとは思わなかったけどね……」


「私も幸宏さんが由香のお兄さんと聞いてビックリしました
あの、私を病院まで運んでくれてありがとうございます」


「そんなの気にしないでいいよ…君が倒れてた時はビックリしたよ…
どんなに声をかけても返事がないし、体温も下がってて熱もあったし……もう熱はないかな?」


幸宏さんはそう言って私のおでこに手を当てようとする


「っ兄さんダメ!!」
「えっ??」


由香が止めたけどもう遅くて、幸宏さんの手は私のおでこに触れた



ドックン!!!???


「イヤッ!!」

私は意志とは反対に幸宏さんの手を払いのけて身震いし、過呼吸になった
由香は慌てて袋を渡した、幸宏さんは何が起きたかわからない顔をし、呆然と佇んでいた



私の発作がおさまり、由香は幸宏さんに私の病状と私がされてた事を話した