数回コールしたあと由香が出る

『志保どぅしたの?』


『由香…私……由香に話したい事があるの…』


『わかった……あと少しで仕事終わるから、志保の好きなレストランの前で待ってて』


『わかった……』


電話を切った私は、ずぶ濡れになりながらレストラン"夜空"に向かった

雨に濡れれば自分の涙をごまかせるからだった



久しぶりに見たレストラン"夜空"は順に傷つけられる前の姿に戻っていた


"夜空"についた頃には私の涙は枯れ果てていて、体は冷え切っていた




大好きなレストラン"夜空"の素敵な姿を見たからなのか
私は意識を失って倒れ込んだ









意識の薄れる中、誰かが必死で声をかけていたけど、それが誰かはわからなかった