夕方、6時過ぎ
輝樹の車の音がしたと同時に

急いで 作っておいた
おかずとごはんを机に並べた。

玄関の扉を開けると

「おー、ビビッた。
どうした?」

グッドタイミングだ。

「おかえり」

昨日は 完全に爆睡で
仕事から帰ってきた輝樹に
何もしてあげれなかったから、
今日は 絶対
この言葉を言いたかったんだ。

「お、おォ?」

ただいま と言わないのは
輝樹らしいけど・・・

でも、この表情だと
たぶん・・・
悪い気はしてないはず・・・

と、信じたい・・・。

「風呂入れる?」

「え・・・あ・・・・
ごめん、お風呂入れてない・・
い、今から すぐ入れるから待ってて!」

そうだよね・・・
仕事から帰ったら
お風呂入りたいよね・・

慌てて お風呂場に向かおうとすると
腕を掴まれた。

「いや、入れてないならいいから。」

「え?でも・・・
お風呂入りたいんじゃ・・」

「そういうんじゃなくて
俺、汗かいたから
風呂入った方がいいんじゃねぇかと思って。」

言いにくそうに
そう言うと
座り、ごはんを食べ始めた。