ごめん、とわたしがこぼした後に、ヒロイチはなんとか顔を作ろうとして。

でも、失敗していた。


──俺のこと、好きじゃないのかよ。


ヒロイチが出て行ってしまった部屋は、とてもとても寂しかった。

エンドロールは終わっていて、画面は単色の青に塗られていた。

傷つけたいわけじゃない。わたしだって、ヒロイチの気持ちに応えたい。

それでもやっぱり、混じるのは怖い。ふたつのものを、無理やりひとつにするみたいで怖い。


…でもヒロイチとなら、いつかは混じれる気がするのに。