外に出てみたものの、なに一つない。
「仕方ない…」
カズヤは、バックを探り始めた。
そして、なにか飛び出したと思えば、ホウキだった。
「これ、本当は商品なんだが、今はそんなこと言ってられねぇ。乗れ、ショウタ」
先に自分が乗って、後ろを指差す。
俺は、仕方なく乗った。
「いいか、ショウタ。これは俺の魔力で動いてる。魔力がなくなったら、落ちるからな。」
「お前、どんくらい魔力あんの?」
「さぁな…。でも、行けるのは一ヵ所だけだからな」
一ヵ所。
それなら、だいたい場所は予想がつく。
「カズヤ、荒野へ行ってくれ」
「……信じるぞ」
「あぁ、信じろ」
カズヤは、なにかを唱えた。
すると、ホウキは宙に浮く。
初めての感覚に、少し戸惑いそうになる。
「行くぞ」
カズヤのそんな声が聞こえ、俺たちは荒野へと向かった。