「舞華が、話すまで絶対にはなれないから……」
そこまで言われて気づいた。
抵抗しても、ムダという事に……。
だからは、この事を話すしかなくなった……。
「わかったよ……。話す、ね?」
ハッキリ言って、イヤ。
でも、このままでいるのも、イヤ。
なら、言うしかない……。
まだ、マシだもん……。
「早く、話して?」
「わかった……」
そして、私は全てを話した。
お母さんに嫌われてた事……。
お父さんにも、嫌われてた事……。
友達がいなかった事……。
イジメられてた事……。
"ずっと、死にたい"
って思って事……。
全てを話した。
怖くて、震えが止まらなかった。
でも、話し終わってからも隼人は私を抱き締めている。
「ねぇ? なんで? 嫌いにならなかったの……?」
「バカ? 嫌いになるわけないだろ……」
「そんなの、わかんない……」
そう……。
終わらなきゃ、わかんないんだ……。
全部、全部終わってからしか、気付かない……。
「これで、俺ら秘密共有者だな♪」
そう言って、なぜかあっさり帰っていった。