「……無理……」


私は小声で言った。


だって、怖い……。
いなくなってしまったら……?
消えちゃったら……?
怖い……!
怖いの……!
だから、言えないの……!
気づいて?
私の思ってる事に、気づいて!!


必死に、心の中で叫ぶ。


「言ったら、楽にまるかもしんねぇよ?」


優しい声で囁く。


無理……。
ダメ……。
怖い……。
イヤ……。


「舞華?」


私は隼人に抵抗した。
隼人から、逃げる事にした。


だって、そぉしないと……。
きっと、消えてっちゃう……。
だから……。


抜け出そうとする、私。
でも、ぜんぜん……。
逃げ出すどころか、逆に捕まってる……。


「はなして!!!」


私は耳元で叫ぶ。


「イヤだね?」


それにも動じず、隼人は私を抱き締め続ける。


私、逃げられないの?