「格が低いヴァンパイアだからだよ?」
「? 低かったら、ダメなの?」
「ダメ。お母様達にも言われたでしょ?」
幼い頃の私は涙ぐんで頷く。
「大丈夫だよ?」
「えっ?」
「僕が君を守ってあげるから」
そして、一拍おいて、
「だから、泣かないで?」
そう言った。
この時……。
この言葉を言ったんだね。
「わかった! もぉ、泣かないよ♪」
そう言って微笑む私。
そして、いきなり目の前が真っ白になる。
でも、それは一瞬で、次は暗い道が目の前に広がった。
「隼斗君。話があるんだ」
「なに?」
この子は幼い頃の隼斗?
「隼斗は低いヴァンパイアなの?」
それを聞いた幼い頃の隼斗は悲しそうな顔をした。
隼斗に、そんな事言ったの?
私……。
「だから、もぉ嫌い」
えっ……??
『コレハ、貴女ガ鍵ヲシタ記憶ノ一部』
視界がまた白くなる。