「華雷!」


華雷……?


扉から入ってきたのは、幼い男の子。
そして、その男の子に話しかける女の子。


私……?
じゃあ、これは幼い頃の記憶……?


「ねぇねぇ! 聞いて?」
「なぁに? 舞華?」
「今日ね、同い年のヴァンパイアにあったの!」


幼い頃の私の顔は輝いている。
でも、幼い頃の華雷は悲しそうな顔をしてる。


「その子の名前はね、隼斗って言うんだ♪」


ニコニコ笑う、幼い頃の私。
華雷は怒ってる?


「そう。よかったね」
「? どうかしたの?」
「なにが?」
「怒ってる」


ちゃんと、幼い頃の私は気づいたみたい。


「どうして怒ってると思う?」
「えっ?? う~ん……?」
「わからないの?」
「うん……」


私も、わかんないよ?
なんで、幼い頃の華雷は怒ってるの?


幼い頃の華雷はそっと口を開く。


「君が、別の男の子の話をするからだよ?」
「えっ……」
「しかも、だめだよ? その子はだめだよ?」


ダメ?


「なにが?」


幼い頃の私は聞く。