「来た理由か?」
「そう」
「それは、舞華に会いたかったから、それじゃダメか?」
「えっ……?」
今、なんて言った?
会いたかったから?
嘘だ……!
だって、私あんなにひどい事言って……。
その時、隼人に抱きしめられた。
それと同時に、部屋の扉が開いた。
「やっぱり来たんだ~。東隼人君?」
華雷の声が静かな部屋に響く。
「誰だ?」
「僕? 僕は舞華の双子の兄だけど?」
「双子の……兄?」
信じられないという顔をする隼人。
そんな隼人にこう言った。
「ホントなの! 思い出したの! 私!」
「記憶が……戻った?」
「そうなの! だから、信じて……?」
そう訴えながら隼人の顔を見る。
すると、そこには悲しそうな表情が張り付いていた。
なんで?
悲しそう……?
どうして?
「どうして、悲しそうな顔をしてるの?」
「……どうしてだよ?!」
私が聞いた言葉に、こう怒鳴りつけて来た。
「何でだよ? 俺って、そんなにたよりねぇのかよ? あんなちっちゃい事で嫌いになったとでも言うのかよ?!」
「なに、言ってるの……?」
「俺は舞華の事が好きだ!」