華雷はいつも、私の事を一番に思っててくれた。
どんなに、私がワガママを言っても、私の願いを叶えてくれた。
私が泣いている時は、いつも抱きしめてくれた。
いろいろな場所にも連れてってもらった。
それに……。
私は、華雷の事を双子としてじゃ無くて、一人の男の子として好きだった。
でも、ある日……。
私達は、離れ離れになってしまった。
親の都合で、記憶をいじられ……。
隼人の家に、住む事になった……。
隼人のお母さん達は、やさしくしてくれて……。
それで、今……。
「思い出した?」
「うん……思い出したよ……」
そう私が答えると、私の事をだく力が強くなる。
嬉しいのかな?
「よかった……。戻らなかったら、どうしようかと思ってた」
「大丈夫だよ」
私は、華雷の頭を撫でた。
華雷は嬉しそうに笑う。
その顔はとても、柔らかかった。
私は華雷の、その顔を見て……
『好き』
になった。