「でも、憶えてない……」
「じゃあ、思い出させてあげるよ。だから、一緒においで」


彼はそう言った。


私は迷わずに頷いた。


「連れてって?」
「いいよ。おいで?」


私は彼に向かって歩く。
そして、目の前に立つと私を抱き上げた。


「少しの間、目をつぶっていてね?」
「わかった」


私は目をつぶった。
すると、いきなり眠気が襲って来た。


そして、私の意識は夢の中へと落ちて行った。