「あ、明日 従兄弟来るんだった。だから、そいつも連れていっていい?」
夏樹君にとって、笑顔は心からの物。
私にとって笑顔はモットー。
心からの笑顔を私はしてないかもしれない。
それを読んだのかもしれない。
だって、無理矢理作ったような物だった。
夏樹君が心から好きだから、嘘も分かる。
従兄弟なんて本当は来ない。でも、従兄弟は呼べば来るんだろう。
「2人で」の所の私の笑顔が、心からじゃなかったから。
だから、従兄弟もだなんて嘘をついた。
私はそう推定した。
「う、うん。分かった。じゃあ、明日 私と夏樹君と従兄弟の………」
「尚樹と涼。あいつら、喜ぶだろ。俺1人じゃ笑わないから面白くない、って言ってたから。」
私のモットーの笑顔を尚樹君と涼君の為に使うの?
夏樹君の心からの笑顔は、心からだから笑うときが少ない。
だから、面白くないんだろう。無邪気に笑う人達にとっては。
私も無邪気に笑う奴と思われた?だから従兄弟の為に笑顔を?
なんか残念。モットーにしてた笑顔が悪い?
心からの笑顔と、普通の笑顔。
何の差があるんだろうか?
「そ、そう………。じゃあ、明日。楽しみにしとくよ。夏樹君の従兄弟と会えるのと、初めての夏樹君との遊び。」
私はもうモットーの笑顔を忘れてた。
夏樹君は、一瞬 気付いたようだ。
いつも笑ってる奴が、笑わない。
それだけで心配になるんだろう。
心からの笑顔を出そうと思った。
でも、今 2人で遊べない残念さに、心からの笑顔が出ない。
「お、おぅ。じゃ、じゃあ明日な。」
夏樹君は私の笑顔がない事に焦ってたが、聞きづらかったみたい。
話をあわせてきてくれた。

ここからだった。私と夏樹君の心からの関係が崩れていったのは。