『ねぇ、ゆうちゃんは覚えてる?』

 「何が?」

 『もう、その言い方って絶対忘れてるじゃないっ』

 「……わかんないよ」

 『ふんだっ、知らない!』

 「あ……ちょっと」



 さいごまできかないで、いってしまった。

 何をわすれていたんだろう?
 考えても、考えてもおもいだせない。

 おいかけようとしても、どこへいけばいいのかわからなかった。


 そのときから、まちがいははじまったんだ。


 『……ゆうちゃん』



 これは、大きなすれちがいの、お話。