「なんでよ」 言ったのは須藤さん。 「無理だからだ。お前たちの演奏を俺は壊したくない」 「先生が加わればもっと良くなる」 「お前たちには初めて合わせたとは思えないほどのまとまりがある。その中に今、俺が入ってもそれを崩すだけだ」 「…そんな」 優子は切ない声を出して音楽準備室を出た。 それに日野くんが続く。 俺も続いた。 ただ須藤さんだけは川端を睨みつけていた。