「あー、明日俺一限からだ。」


城から出ると、克也はそんなことを言い出した。


「俺は昼からだし。ドンマイ。」

克也の肩を哀れみをこめてポンと叩く。


「んのやろー、課題終わるの待っててやった友達にその仕打ちは無いだろ?」



克也は俺の髪をぐしゃぐしゃにし始める。


「うっわ、離せ克也!」

「うっせー!」


友達との、バカみたいなやり取り


それが、俺にとってのかけがえのない幸せだった。