「はぁ?俺らお金なんて奪ってねぇけど?」

「嘘吐かないで。私見てたんだから。

いいから、早くお金返してあげなよ!」


私達の口論に少しずつギャラリーが増えていく。

皆、見てるだけで助けてくれない

皆、冷たいな…



私達はお互い一歩も引かない。


私の言葉が感に障ったのか、男は拳を作り殴りかかってきた。


女相手に暴力?

私は避けることも出来ず、目を瞑った。


ギャラリーの悲鳴と同時に、乾いた音が目の前で響く。


…あれ?

痛くない


目を開けると、そこには見に覚えのある姿


「夏…?」