最初っから言うこと聞いとけばいいのに…


俺は地面に散っている金を拾うと、怯えて突っ立ってる中学生に渡した。


「ほら。これにこりたら二度とこんな時間に彷徨くんじゃねぇよ。」


中学生は恐る恐る手を伸ばし、お金を受け取った。


「夏…ありがとう。」

沙希が俺に笑顔を向けた。

「ったく、何でも喧嘩売れば言い訳じゃ無いんだからなーー」

言葉の途中で、向こうから警察の声が聞こえてきた。


「ヤッベ察だ…沙希、逃げんぞ。」

「う、うん!」


俺は沙希の手を掴んで

森の方に走り出した。