俺は静かに頷いた。



今更取り乱す事はない




ずっと分かっていた事だから…




「これを。」



そう言って渡されたのは、ボイスレコーダーだった。



俺は戸惑いながらも受け取った。



「…これは?」


「姫様が君に残したメッセージです。」


「!?」俺は無意識にレコーダーを握り締めた。



「葬儀は身内のみで行われます。ですから、最後に…君に沙羅様の姿を。」