「えっ?」

俺の気持ちなど知らず、少女は俺の手をガッシリ掴んできた。


「君、名前は?」

「…梶原夏。」


つい反射的に、名前を名乗ってしまった。



「きっと夜の城下町は楽しいよ~!夏、行こう!」


少女はワクワクした笑顔を俺に向けると、手を掴んだまま走り出す。


「ちょ、待てよ!」


俺の制止も聞かず、少女が止まることはなかった。






もし俺達がここで出会って無かったら


俺は、約束された未来が待っていた


だけど、ここで君に会えたことは



今でも後悔していないーーー