「ここには時々外の空気を吸いに沙羅様がお越しになりますからね。
皆沙羅様のお顔が一目見たいと、楽しみにしておられるのです。」


沙羅様に会いに…ね

正直、俺は誰かに会いたいなんて思ったことはない


そんなこと思える方が、希なんじゃないか?


「世間話はこれぐらいにして…梶原君。」

そう言って環は、どこからか山のような書類を取り出した。

「…あの、何すかそれ?」

「明日までの課題です。」