ーー誰?ーー 初めて出逢ったあの日 偶然が重なったように、俺達は出逢った 「初めて城の人以外と喋って、初めて憧れの城下町に行って、…初めて他人の家に行った。」 『沙希』の言葉と共に、今までの日々が頭の中に浮かんできた。 「夏に逢えたおかげで…私は沢山思い出が出来たよ。」 『沙希』の頬に滴が伝う。 大きな瞳から、涙がボロボロと零れ落ちていた。 「だけど…もうさよならだね。」