「うん、そうだね。」

『沙希』の声が悲しそうに響く。

「私が病気だって分かったのは、四歳の時。」

何かの絵本を読み聞かされるように

『沙希』は言葉を紡いでいく。


「脳にね、何か異常が見つかったんだって。何かは分からないんだけど…。

今まで見たこと無い病気で、治療法は無いし、どんな症状が起こるか分からない。

免疫低下の可能性もあるから、私は城の中に閉じ込められた。」


四歳の時…

そんな小さい頃から…