「何から話そうかな?」

少し笑い混じりで『沙希』が言う。


「夏の言うとおり、私は沙羅。王家の…たった一人の姫だよ。」

姫ーー

少しだけ心が苦しくなった。


「『私』のこと、どれくらい知ってる?」

どれくらいって言われてもな…


「えっと、確か病気で、小さい頃から姿を見られてないとか?」

都会に来たばかりの俺にはこれが精一杯だった

まぁ、皆みたいに興味が無かったのもあるけど…