「あの顔だからね、何しても『キャー!かっこいい~!!』なのさ」


幸先輩は“やんなっちゃうね”って言いながらクロワッサンをかじった。


「王子はクールじゃないですよ??よく笑いますし。」


「ふんん!!」


幸先輩は口にクロワッサンを入れすぎて何言ってんのか全然分からないけど、多分「そう!」とか だと思う。


手のひらを突き出して
“ちょっと待って”
ってジェスチャーして

幸先輩は急いで口の中のクロワッサンを飲み込んだ。




「それ!それなんだよ!!
湊司が瑠衣チャンに優しい!!
…意味わかる?」


ジッと目を見てくるから私も幸先輩を見ると


「………うぅぅん。
こりゃ、幸ちゃんもやられそうだ。」



って幸先輩が地面に寝っころがった。



「???」


全部、よく分からない。






「あんねぇ、ここに俺ら以外を入れたのも初めて。ましてや、鍵あげちゃうなんてね…」


幸先輩がチラッと私を見た。