解放された。

頭に回されていた腕は、するりと解け、
先生の体で、見えなかった視界も
見えるようになった。

けど、


見なきゃよかった。

見えたのは、至近距離の先生の顔。
よく見たら、噂どおり本当に綺麗だ。

真っ黒の髪に、少しつり上がった目。
形の整った顔立ち。
広い肩幅に、高い身長。
世の中の人々は
この人を美形と言うんだろうな・・・。

そんなことを呑気に考えていた。


すると先生は、私の両肩を掴んだ。

ビックリしていると、先生はすぐさま
私に顔を近づけてきた。

「ひぁ・・・」

思わず声を漏らした。
手で回避しようにも、いつのまにか肩にあった先生の手は、私の両手を固定していた。

私は思わず後ろへ下がった。

が、後ろには壁があり、後頭部が壁に当たった。


危険を察知してたが遅かった。

私の唇に、柔らかいモノが触れた。

そう思ったら、すぐさま口の中に、
先生の舌が入り込んできた。


「!?・・~・・・ん・・ふぅ」
声を漏らしてしまった。

絡み合う舌を、何とか解こうとしたが
先生は全然離してくれなかった。