頭を下げる。

それを見て満面の笑顔で頭を下げてくれる。


それだけが楽しくて毎日の仕事の終りや休日にはホームに通いつづけた。

彼女と会えるのはそれでも週一ぐらいだったけど、会えた時は、頭を下げ合った後は自然と頬が緩むのがわかった。


今日こそは。


今日こそは彼女に声をかけよう。そう毎日決意しながらホームに向かったが、仲間達がいるから…負けた試合の後だから…

そんな理由を付けて彼女に声をかける事は無かった。

頭を下げ合うだけの日々が続いた。