その日からSNSでの彼女は普段の明るさを取り戻した様にはしゃいだ内容になっていた。
そして戦友達は何事も無かったかのように前と変わらぬ軽いノリでコメを書き込んでいた。
でも本当の意味で立ち直れていない事を自分だけは解っていた。
彼女の辛さを自分が救ってあげたかった。
次の日の21時に遂に彼女はホームにやって来た。
キョロキョロと店内を見渡していた。
自分と目が合った。
ほっとしたような、安らぐような笑顔で自分を見つめてきた。
「今日はここラスクさん一人なんですか?」
「少し前に来たけど、俺一人で…、な・ナヅキさんも今日は一人なんですか?」
少し視線を動かしてから彼女は答えた。
「もう、ずっと一人かも…」
消え入りそうな声で彼女はそう言った。
「えっ?」
わざと聞こえない振りをしてそう聞き返した。
「何でもない」
痛々しいほどの笑顔でそう答えを変えた。
ここしかなかった。
ここで人生史上最大級と言って良いほどの勇気を振り絞る事にした。
ゆっくり口を開いた。
「一緒に出撃してもらえませんか?」
言葉に出せた。