―――

「ベルや…。
実は儂は、間違えてあの野獣の城の、美しい薔薇を盗んでしまったのじゃ…。」


此処は、町一番の美女である、ベルの家です。

ベルのお父さんは、森へ出掛けた帰り道、あの呪いの城前に迷い込み、そこに咲いていた薔薇を、盗んでしまったのです。

困り果てるお父さんを見て、ベルは言いました。


「…まぁ、父さん。
人様の薔薇を勝手に盗むだなんて、いけないことを…。

高そうなものを見た瞬間に取ってくる癖を直せと、あんなに言ったのに…。」