あたしこと、藍原 優は数ヶ月前、父親の転勤のため、この学校へ転校した。前  
  
  の学校でもそこそこモテたがここは今までとは違う。
 
  朝、挨拶すれば
 
  「キャー」

  と悲鳴がおこるほどだ。

  そんなある日、あたしは佐野 涼という男子が話かけてきた。

  「俺らンとこくれば?」

  あたしはいわれるままについていった。

  佐野には本間 潤也(ほんま じゅんや)と渋谷 恭太(しぶや きょうた)

  という友達がいた。
  
  「よー涼。連れてきたか?」

  「あぁ。」

  「うっわ。うわさどーりかっけぇなぁ。」

  2人の前に突然つれてこられて、あたしは言葉を発せられずにいた。

  「俺、本間 潤也。みんな潤也とか潤とかいってっから、どっちかで呼んで。」

  「俺は、渋谷 恭太。恭でいいよ。」

  「あっうん・・・。あたしっ」

  「藍原 優だろ?知ってる。俺は知ってると思うけど、佐野 涼。涼って呼べ。」

  「あっ・・・えっと・・・涼くんに、潤くんに、恭くんだね。」

  「敬称とかいーから。」

  「じゃー涼に、潤に、恭なっ。よろしく。」

  「あぁ。」

  「あたしのこと、優でいいから!」
  
  「うん。じゃあっ・・・今日は、優が友達になった。つーことで!」

  「あと、1時間は石山センセーだし・・・。数学だし?」

  「さぼっちゃいましょー!!」

  3人が息をそろえて、そういった。

  「えっ?いーの?」
  
  「いーの。いーの。気にしなーい。」