「残念だが、俺が塾の講師してんのは知ってるよな?」

確かに修夜は進学塾の講師をしていて理月はもちろん知っている。


「知ってるけど…それが何の関係があんのよ?」

理月はムスッとして答える。

「生徒にお前と同学年がいてな、
偏差値俺ん時より下がってんぞ。」

そして修夜は嫌な笑いを見せた。

「なっ…なあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

理月は頭を抱え叫んだ。

しかし理月はあることに気づいた。

「ハッ!!けどあたしの方が理科と数学と国語いいもん!!」

すると修夜は踵を返していった。

「俺、理数系じゃないし?」


そして理月はキレた。


「いっ…いい加減…負けを認めろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


その拍子に本が宙を舞う。

「あっあわわわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

ポスッ

その音がしたとき理月は冷や汗をかき、片足で一定方向に体重をかけて今にも倒れそうだった。

「ギッ…ギリギリセーフ…」

修夜が居なくてよかったと理月は心から思った。

修夜なら確実に理月を押し、バランスを崩し倒すだろう。



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