「凪桜!早く起きなさい!」
お母さんの声が聞こえる…
う〜ん
何で起こすんだろう?
まだ春休みのはずなのに
「凪桜!今日入学式でしょ。遅刻するわよ!!」
入学式…
あっ!忘れてた!!
今日4月8日!
高校の入学式だ…
やばっ!もう8時半だ…
式は9時からだから間に合わないじゃん…
入学早々遅刻…
最悪…
「行ってきま〜す!」
私は準備をして家を出た
もう間に合わないから私はゆっくり歩いて行くことにした
歩きながら私は友達出来るかな…
彼氏とかも出来たらいいな
そんなことを考えていた
学校についた
まだ入学式の途中だよね
体育館ってどこだろ?
適当にうろついてたら
現在の自分の位置すら、わからなくなってしまった
やばい!!全然わかんないよ〜(泣)
泣きそうになっていたとき
「オイ」
急に声をかけられた
私はびっくりして振り返る
そこに立っていたのは…
とても綺麗な男の子!!
少し長めの前髪から見えるぱっちりした二重の目
茶色がかったサラサラの髪
身長はそれほど高くないが170センチはあるだろう
「オイ!聞いてんのか?」
「はい!!
何でしょう?」
やばい!完全に見とれていた
「お前も新入生だろ?」
お前もって事はこの人も新入生なんだ
「うん。そうだけど」
「こんな所で何してんだ?入学式じゃねぇのか?」
「私は遅刻して迷っちゃって…」
「なんだ、お前もか」
お前もって事は…
「あなたも迷ったんだ」
「まあ…な。でももう場所わかったから行く
お前も来い」
グイッ
「ぅわっ!」
いきなり引っ張られたから変な声が出た…
てゆーか!!
手!!
手、持たれてるんですけどっ!!
「オイ。着いたぞ」
そんなことを考えているうちに体育館に到着したようだ
「あのっ、ありがとう」
「別に」
私たちは体育館の中に入った
入学式はもう終りに近かった
私は適当に空いてる席に座る
あの男の子は私の席と離れている所に座っている
「ねぇ」
隣にいた女の子が話しかけてきた
「なに?」
「遅刻だよね。実はあたしも遅刻したの!」
「そうなんだ!」
「うん。でねっ、友達になってくれない?」
「いいよ〜。私、藍沢 凪桜!
凪桜って呼んでね!」
「うんっ!あたしは池上 莉夏(いけがみ れな)だよ!莉夏って呼んで!」
「うん!よろしくね」
入学式が終わった
「凪桜!クラス表見に行こ!!」
「うん!!」
莉夏とクラス表を見に行く
莉夏と同じクラスがいいな…
出来ればあの男の子とも…
気づけばクラス表の前…
私は…
あった!1年2組だ!!
莉夏も同じ!
「莉夏!同じクラスだよ〜!」
私は後ろにいる莉夏に言った
「本当っ?やった!!」
莉夏と一緒っ!!
うれしいな
そういえばあの男の子は何組なんだろ?
名前聞いとけばよかったな…
1年2組の前についた
「なんか緊張するね」
莉夏とそんなことを言いながら教室に入った
えっと私の席は…
端っこの一番前…
最悪…
あっ、でも私の後ろは莉夏だ!
よかった〜
「席近くて良かったね!」
「うん!」
先生が入ってきてホームルームが始まった
先生は若い女の人
名前は平松先生
覚えとこっと
私の隣の席の人はまだ来てないみたい