優花は、群れをかき分けて、

イケメンに近づいた。

「ねぇ、名前何て言うの??」

「俺?椎名 翔ってゆーんだけど。そっちは??」

「あたしは、優花。優花ってよんでね??」

「ん。りょーかい」

にっこりした優花の作り笑いは、

きっと長年いっしょにいるあたししか、

気付かないんだろうな。

そして、優しく微笑んで話す男は、

天使??悪魔??

むしろあたしには悪魔にしか見えない。

柱にもたれかかって、後ろの方から見つめていたあたしは、

気配を消していた。

金髪のメッシュ。

耳には数個のピアス。

制服はほぼ私服に近い。

こーいった方とはあまりお付き合いを避けたいわけで。

チャラい。

軽い。

まさにその言葉がそのまま当てはまる容姿。