お通しの佃煮を突いていると

「紗季、遅れてごめん。」

少し息を乱して文香が入ってきた

和泉文香は大学からの親友
大手の商社に勤め


会うのは数カ月ぶりだった


キレイにカールして痛みの無い毛先
爪の先までしっかり手入れされているところは
今流行りの「素敵女子」のお手本みたい


「あ、私、焼酎ウーロン割り。」

注文はおやじだけど
そのギャップがモテるらしい



私にはまるで圏外