声の方を振り返る

立っていたのは
今一番会いたくない


早川護…


彼は
私の顔を確認すると

ペコっと頭を下げた

ハイカットのスニーカー
細身のデニムに
青と黒のストライプのカーディガン

無造作にワックスで流した髪は
まるで雑誌から飛び出てきたかのように
新鮮で、とても似合っている




「…。」
何も言えない私


何かを言わなくてはいけないのに


なにも言葉が出てこない