― 直樹 side ―


部屋のドアを閉める。


ドアの前で一つため息。


「…俺だって、ドキドキぐらいするっつーの…」


星蘭、真っ赤になりすぎなんだよ。


俺まで―…。


俺から仕掛けといてあれだけども。


あれほど免疫がないとは思わなかった。


俺も、星蘭も。


俺は一回へとつながる階段へと足を進める。


飲み物を取りにいくのも、気持ちを落ち着かせるための口実。


俺からしたら、好きな子を押し倒したりしてるわけだしな。


3年間一途な俺ってどうよ。


そりゃ、免疫ついてないわ。


とりあえず。


冷めてから、部屋に戻ろう。


そう思いながら、飲み物のあるダイニングへと重々しい足を運んでいった。